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ショッピング・バレエ鑑賞・マンガ・旅行など、自分の趣味・行動ダラダラ日記


by remisara
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小説 『風の墓標碑』/乃南アサ

小説 『風の墓標碑』/乃南アサ_c0162882_23525314.jpg


あらすじ→解体工事現場から白骨死体が三つ。一組の男女と嬰児。死後推定二十年余り。そして徘徊老人の撲殺事件。捜査過程で浮かぶ父娘惨殺事件・・。一方、刑事を騙る男が捜査を撹乱する。目的は何なのか、誰が情報を漏洩しているのか・・。
再びコンビを組む中年刑事滝沢と女刑事音道貴子が事件を捜査する、音道シリーズの6冊目。





これは本当におもしろかった!
久々のヒットです。



プロローグの白骨発見から、男女一組と嬰児の遺体でどうやら殺されたらしい・・という所ですでにワクワク。どこの家族が殺されてるのか捜査していく段階で、聞き込みした認知症老人が殺害され、介護職員の経歴が分かった頃からもう止まらない怒涛の展開で一気に読めてしまった。
いろんな謎が交差してて、どうやって終わらせるのか不安でしたがラストで一気に解決。
テンポがよくてグイグイ引っ張り込まれます。

殺された家族の息子の人生は、子どものころに意味も分からず家族を失って自分のアイデンティティが不安定になってましたが事件が解決して落ち着いたのが救い。
犯人の犯行理由もその後の被害者家族への接し方も、自分勝手すぎてまったく共感できない。
こんな人間がよく世間でのさばってたなあ。
あと、途中出てくるヒモ男が最悪です。こんな男についている女も最悪。捜査妨害してるやん。

最初の白骨死体が24年前のものらしい事が分かって捜査が進む内容で、初めて殺人時効が25年になってくる事を知りました。って、いつのまに!
まさか犯人も15年から25年になってるとは思っても見なかっただろうなあ。
今度からは時効が廃止になる方向だけど・・。

第一作長編『凍える牙』(←直木賞をとった!)から短編『花咲く頃の殺人』、長編『鎖』、短編『未練』、短編『嗤う闇』から順に読んでる身としてはものすごい感慨深い。
部屋の本棚見たら、文庫・ハードカバー合わせて全部揃ってたことにも驚きました。
始めは2人とも角つき合わせてぶつかってたのに、次第にお互いの能力とか認めてきてる過程が分かってていい。作中でも年数が経ってきてるので、移動があったり、病気がでてきてたりしててリアル。
このコンビのシリーズは読んでて面白いし、前作読んでる場合はもっと楽しめてお得。

未読の場合は発表の順に読むほうがお勧めです。

風の墓碑銘

乃南 アサ / 新潮社


by remisara | 2010-02-11 23:51 | 小説