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ショッピング・バレエ鑑賞・マンガ・旅行など、自分の趣味・行動ダラダラ日記


by remisara
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11/5 『東京バレエ団&シルヴィ・ギエム HOPE JAPAN』

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待ちに待った、ギエムのボレロが観られる公演『HOPE JAPAN』の兵庫公演に行きました。

兵庫県立芸術文化センター/14時~

・第一部「白の組曲」
振付:セルジュ・リファール
音楽:エドゥアール・ラロ、「ナムーナ」からの抜粋

シエスト:乾友子、高木綾、渡辺絵里
テームヴァリエ(パドトロワ):奈良春夏、木村和夫、後藤晴雄
セレナード:小出領子
ブレスト(パドサンク):岸本夏未、高橋竜太、長瀬直義、小笠原亮、宮本裕宣
シガレット:田中結子
マズルカ:木村和夫
アダージョ(パドドゥ):上野水香、柄本弾
フルート:西村真由美
 
 
・第二部
「ルナ」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:ヨハンセバスチャン・バッハ

シルヴィ・ギエム

「チェロのための5つのプレリュード」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ

吉岡美佳、高橋竜太

「TWO」
振付:ラッセル・マリファント
音楽:アンディ・カウトン

シルヴィ・ギエム


・第三部
「ボレロ」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:モーリス・ラヴェル

シルヴィ・ギエム
松下裕次、長瀬直義、宮本裕宣、梅沢紘高
東京バレエ団




11/5 『東京バレエ団&シルヴィ・ギエム HOPE JAPAN』_c0162882_26398.jpg


・第一部「白の組曲」
女性は白いロマンチックチュチュやクラシックチュチュ、男性の白い上下や黒いベストの衣装など、ぱっと見パリオペのデフィレ。

静かに始まる音楽は単調で、非常に退屈な40分だった・・。
どうしてこの演目にしたんだろうと不思議。
中で小出さんと田中さんがなんとか輝いてたくらい。

友達の評やtwitterでの酷評を見てたので覚悟して臨んだけど、ひどすぎた・・。
一番当てはまる言葉、「うまい人の発表会」。まさにこれ。
テクニックを見せるだけでいっぱいいっぱいなんかなあ・・。
ストーリーのある演目ではないので、そこに表現力をつけたりするのができないのかも。
おそらくパリオペの主役クラスの人がしたとしても、難しい演目と思う。
見ている最中は、パリオペ・デフィレとバランシン振付の『ジュエルズ』を思いだしてた。
あれもよっぽど表現力がないと難しいもんだし。

そして初見の上野水香さん・・・なんていったらいいか(笑
しなやかな長い手足で静止ポーズは美しいのだけど、その合間の動きが雑?なのが気になる。
もったいないなあ~。表現力とか20代なら許されてたけど、30歳すぎて中身が薄い印象。
周囲の人の評も当然だなあって思った。彼女が全幕主役だとしても、見に行かないだろうなあ・・。


・第二部、「ルナ」
ギエムのポアントでの演目。
青白い背景と真っ白な衣装のギエムはまるで月の光をあびたダイアナ(月の女神)のよう。
どこまでも高く上がる足に優雅に動く腕とギエムの身体能力をさまざまと見せられる。


・「チェロのための5つのプレリュード」
舞台左右にスポットライトがあたる椅子が2客。
グレーのズボンと薄ピンクのカットソーを身に着けた吉岡さんと(途中で服は脱いでいき白いレオタードと黒いタイツになるけど)、海パンのようなハーフパンツをつけてチェロをかかえた高橋さんの演目。
これはストーリーもなく、ただ単に少女と男の恋物語とだけ。
吉岡さんはさすがのテクニックで美しかったけど、ギエムに挟まれたというのがある意味気の毒。
高橋さんのは振付もそうだけど、衣装と髪型で原始人っぽい仕上がりに。


・「TWO」
ギエムの演じるこの演目は動画で見たけど、いまひとつ凄さがわかってなかった。
今回取った席は4階最前列の正面席。それがものすごく良かったとしかいえないけど。
わずか2m四方の光の枠の中だけで、ゆっくりとでも力強く動く振付。
この狭い空間から、ギエムの莫大なエネルギーが発せられるのを強く感じた。
照明は上からのみなので表情は暗く、そして途中からは光の枠は「ロ」の様に周囲だけにあたるので動かした腕や足のみ照明が当たるという演出。
音楽と照明、そしてギエムの存在がなければなりたたないだろう。
そしてサイドの席で見たら、今ひとつ素晴らしさが分からないと思う。
本当に正面席でよかった!


・「ボレロ」
ギエムのボレロは動画や写真しか観てなく、初めて。
「最後の~」とベジャールの追悼しちゃったし、今回復興でやってくれて本当にうれしかった。
これを見るためだけに1万以上払った価値はあったと思う。

静かに流れる小太鼓のリズムにひと筋の細いスポットライトが写し出された時から息もできないくらい見つめてしまった15分間。
4階席の正面最前列なため、舞台中央で踊るギエムとのあいだに隔たるものがなく、もろにギエムの発せられるエネルギーをぶつけられたかのようだった。
(もう「ギエムと私、私とギエム」というくらい)
優雅にゆったりと流れる動きのメロディーと周囲を取り囲むリズム。
徐々に盛り上がっていくテンポに比例して激しくなる動き。最後にメロディーを囲んで倒れこむリズムたちと共に落ちる照明。
最初はギエムのテクニックに感嘆、途中からギエムの表現力で胸がいっぱいになりいつの間にか涙が出てた。
ギエムも当然年は取っているけど、その分余計なものがそぎ落とされたかのように凄みを感じた。達観したというか・・。
こんな凄いものは、もう見ることができないのではないかと思えるくらい凄かった。

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今回震災による日本復興を願い、封印してた『ボレロ』を踊ってくれて本当に感謝の一言。
そしてギエムには表現者としてまだまだ活躍して欲しいと切に願ってしまった。


は~それにしても、楽しみだった公演すべて終わってしまって
明日から何を楽しみに生きていけばいいのやら・・。
by remisara | 2011-11-05 23:59 | バレエ鑑賞