小説あれこれ
2008年 09月 27日
9月頭から読んだ小説。あんまり読んでないなあ・・。積読はまだまだあるのに。
・パコと魔法の絵本/ 関口 尚/ 幻冬舎文庫
・硝子のハンマー/ 貴志 祐介/角川文庫
・犯人に告ぐ/ 雫井 侑介/ 双葉文庫
・火の粉/ 雫井 侑介/ 双葉文庫
・笑う警官/ 佐々木 譲/ ハルキ文庫
・4TEEN/ 石田 衣良/ 新潮文庫
軽く感想を・・。
注*ネタバレあります!!未読の際は注意!
・パコと魔法の絵本/ 関口 尚/ 幻冬舎文庫
今映画が公開されていますが、これノベライズではなく、舞台の脚本を再構成した小説らしい。もとが舞台って知らんかった。中身は和製『クリスマスキャロル』。じいさん、急に人がよくなりすぎ。「死ね、虫けらが」とか言ってた人やとは思えんくらい。
・硝子のハンマー/ 貴志 祐介/角川文庫
密室殺人話。トリックが秀逸。猿でも介護ロボットでもなく、外からのロボット遠隔操作だとは。その手があったかーって感じで。防犯の知識も付いてお得。弁護士・青砥と、防犯コンサルタント・榎本のコンビもよかった。シリーズ化(短編)してるみたいなのでこっちも読みたいなあ。
・犯人に告ぐ/ 雫井 侑介/ 双葉文庫
豊川悦治さん主演で映画化されてますが、見てません。劇場型捜査は後半グダグダ感が。上司とアナウンサーを引っ掛ける所は面白かったけど。バットマンの正体の男が今ひとつで、犠牲者の子があっさり付いていくようなかんじでもなく、本当に普通の男やしあんな普通のアパートで誰にも知られず犯行が可能か不可解。6年前の事件も解剖してないみたいやし、いつ亡くなったかで警察の責任か分かるのではと思った。
・火の粉/ 雫井 侑介/ 双葉文庫
同じ雫井さんでもこっちのほうが面白かった。こんな他人との距離とか空気感が読めない人っているよなあ~。一方的に他人の望むものを差し出すのは気に入られやすいけど、所詮無理がくるもんだし、自分がこんなに良くしているのになんでそれに答えないのかって、勝手すぎる。自分で妄想膨らまして自分の意見を押し付けて、相手が付いていけなくなると裏切られたとおもって殺人まで行く心理は最近の殺人事件にも通じると思う。こんな人が近くにいて、仲良くしてねって擦り寄ってきたらと思うとゾ~ってなった。見た目だけじゃ分からないし。最後の別荘の所で木から吊るされた死体を発見する所がめちゃ怖かった。
・笑う警官/ 佐々木 譲/ ハルキ文庫
これはテンポがよくて面白かった。殺人事件発覚から解決まで1日もたってないので、ちょっと都合がよすぎる所はあるけど。まるで『24』。夜中なのに情報がどんどん入ってきた所とか。警察の不利な点を証言しようとしているからって、いきなり交際相手を犯人と決め付けて発砲許可まででるか~。キャリア組の犯行を隠蔽するためには、ノンキャリアで素行悪いものに罪を被せて亡き者にしようという所は本当にありそうで怖い。
・4TEEN/ 石田 衣良/ 新潮文庫
直木賞受賞作。IWGPが好きで読んでみました。中学2年、14歳の男の子の描写が綺麗過ぎる印象。でもこれが直木賞か~って感じ。ほかの作品(波の上の魔術師とか)の方が面白いのでは?最近の直木賞はその作品だけでなく、過去に候補にあがったとか業績も含めての受賞やから仕方ないんやろうけど。